先日、大学院時代からの親友である獣医大学の腫瘍科教授に誘っていただき、獣医の学術大会に参加してきました。
ほぼ大学関係者しか参加していないような学会で、おそらく開業医として参加していたのは私くらいだったのではないかと思います。
会場では、人医領域の第一線で活躍されている先生方によるシンポジウム形式の研究発表があり、とても興味深いお話を聞くことができました。
学会終了後にはお誘いいただき、先生方とご一緒に食事をしながら、いろいろなお話を伺う機会にも恵まれました。
やはり、それぞれの分野で人の最先端の研究に取り組んでいらっしゃる方々のお話は非常に刺激的です。獣医療の世界ではなかなか聞くことのできないような内容も多く、話を聞いているうちに、私自身が大学院時代に人医療の最先端で研究していた頃のことを思い出し、とても懐かしい気持ちになりました。
一方で、改めて感じたのは、人医療と獣医療との間には、まだまだ大きな距離があるということです。
もちろん、獣医療の世界でも「先端医療」という言葉は使われます。しかし、人医療の最先端と比較してしまうと、研究に投入できる資金やマンパワー、研究体制などの違いもあり、どうしても大きな差があることを実感します。
人医療ではすでに当たり前になりつつある技術や考え方が、獣医療ではまだ十分に普及していなかったり、逆に人医療の感覚からすると「今はもうそこではないのでは」と感じてしまうようなこともあります。獣医での先端というのは我々の世界の中でだけの先端であることはいかんともしがたい事実です。
これは決して獣医療に携わる人たちの努力が足りないということではありません。対象となる動物種の多さや症例数、研究費、設備、そして何より研究に携わる人材の数などを考えれば、ある程度は仕方のない部分もあるのだと思います。
それでも、今回の学会に参加して、改めて「少しでも本当の意味での先端医療に近づいていきたい」と感じました。
開業医という立場では、大学の研究者の先生方と同じことができるわけではありません。それでも、最先端で何が起こっているのかを知り、学び続けることはできます。
今回、久しぶりに人医療の最前線で活躍されている先生方のお話を聞いて、大学院時代の研究に対する気持ちを少し思い出すことができました。
これからも、獣医療の世界だけに目を向けるのではなく、人医療を含めた医学・生命科学の進歩にもアンテナを張りながら、少しでも動物医療の発展につながるよう勉強を続けていきたいと思います。
