がん治療

癌・腫瘍治療 専門外来

エビデンス(科学的根拠)に基づいた先進のがん治療

「獣医医療の限界を真摯に見つめ、人の最新医学にどこまでも近づける」

現在、獣医領域で行われているがん治療は化学療法剤(抗がん剤)が中心ですが、明確なエビデンスが確立しているのは主として血液系腫瘍であり、固形腫瘍では限定的です。人医療では免疫チェックポイント阻害薬や分子標的薬など、新しい治療戦略が標準治療に組み込まれているのに対し、獣医医療では未だに数十年前と変わらないレベルの化学療法しか提示できていないのが獣医の現状です。

当院では、そうした獣医界の限界や遅れを隠すことなく真摯に受け止め、大学院時代の知人(腫瘍科大学教授)や志のある専門家たちと協力し、少しでも「人の本当のがん治療」のレベルに近づけるよう、日々エビデンスに基づいた挑戦を続けています。

腫瘍専門病院などからのセカンド、サードオピニオンも数多く受け入れておりますので、愛犬・愛猫のがん治療でお悩みの方は、いつでも遠慮なく院長の島田までご相談ください。

がん免疫療法への正しいアプローチと当院の姿勢

当院では2005年より、大学の腫瘍科で教授を務める大学院時代の知人とともに、リンパ球活性化療法やDCワクチンといった「がん免疫療法」について学会シンポジウム等で検討を重ねてまいりました。

しかし、現在獣医領域で広く行われているこれらの治療(非特異的免疫療法)は、現代の免疫学においては十分な有効性を示す質の高いエビデンスは限られています。人の医療では、がん細胞が免疫から逃れる仕組み(腫瘍微小環境 免疫チェックポイント Tregなど)の研究が進み、より狙いを絞った「特異的免疫療法」や「チェックポイント阻害」へと移行しています。

こうした科学的根拠に基づき、当院では効果の認められない「一般的な獣医領域の免疫療法(リンパ球活性化療法など)」(以前当院でも行っていたのですが)は、あえておすすめしておりません。 飼い主様に費用と体力の負担を強いるだけの治療ではなく、真に意味のある先進医療の確立を目指しています。

エビデンスに基づく診断と、その他のがん治療・遺伝子診断

当院では、病理検査、フローサイトメトリー、遺伝子検査(肥満細胞腫におけるc-kit遺伝子解析、リンパ腫におけるクローナリティー解析、BRAF変異検査など)を用い、まずは「確実な証拠」に基づいた診断を行います。

特に悪性リンパ腫(白血病)においては、当院で20数年前(2003年)に国内初となる「low gradeリンパ腫」という病態を発見して以来、正確な診断をもとに、一般のリンパ腫とは全く異なる適切な治療アプローチを行っています。また2014年に世界初となる猫のNK/T-LGLリンパ腫(CD3ε/pAb陽性、CD56陽性、CD20陰性)を確認しました。これはたまたま人医領域の抗体を持つ病理の先生とのつながりで発見できたのですが、いまだに大学でも難しいと思います。治療も現在獣医領域で行われているプロトコールとは全く変わってきます。(この症例は腫瘍専門病院から転院されてきた症例で飼い主様が人の腫瘍内科の専門医の方だったので治療プロトコールを飼い主様から提案していただいたのですが、残念なことにそれはいまだに大学でもできていない治療内容でした)

その他 肥満細胞腫、悪性組織球症等、分子標的薬を用いた癌への新しい治療アプローチの検討を行っております。大学へのご紹介ももちろん可能です。詳しくは院長の島田まで

「マイクロRNA検査」

人の医療現場で20年以上前からがんの早期発見に用いられてきた「マイクロRNA検査」が、ようやく動物の領域でも実施できるようになりました。

これにより、血液検査で以下のような腫瘍を見つけることが可能になっています。

【検知可能な腫瘍の例】

お尻まわりのがん: 肛門嚢腺癌

内臓・胸腹部のがん: 肝臓癌、肺腺癌

頭部・口腔内のがん: 口腔内悪性メラノーマ、扁平上皮癌、鼻腔腺癌

泌尿器・生殖器のがん: 尿路上皮癌、乳癌

血液・免疫系のがん: 悪性リンパ腫、肥満細胞腫

骨・血管・軟部組織のがん: 骨肉腫、血管肉腫

獣医領域においてはまだまだ発展途上の技術ではありますが、愛犬・愛猫の健康診断の一環として、あるいは早期発見をご希望される方は、お気軽に院長までお尋ねください。

「N-NOSE」尿で調べるガン検査

人でやられていた線虫(寄生虫)を使った尿で癌を調べる方法です。獣医臨床病理学会でも以前よりお話ししていただいて、動物での検査も可能となっております。

尿を採取して送るだけで自宅でも可能です。

以上、獣医領域で行われている癌検査にはそれぞれ一長一短がございます。詳しくは院長の島田までお問い合わせください